仏壇に必要な仏具 ご先祖様の供養で揃える仏前仏具一覧

コラム

仏壇に必要な仏具一覧

最近は核家族化が進み、住居もマンションやアパート暮らしが増えているので仏壇も簡素化が進んでいます。特に都市部に住む方だと部屋のスペースが限られるため、ミニ仏壇で済ます方も増えています。

ところで昔ながらの大きな仏壇なら仏具一式を揃える必要がありますが、仏具を置くスペースが限られるミニ仏壇ではどの仏具が必要か分からない人も多いのではないでしょうか。ここでは手元供養などで最低限必要な仏具についてご紹介します。

最低限必要なも仏前仏具

故人の冥福を祈るために最低限必要な仏具です。本式の仏壇はもとより、簡易型のモダン仏壇や仏壇を用いない方でも日々のお勤めで必要な仏具なので必ず揃えましょう。

位牌

 

位牌は浄土に旅立った故人の魂の依り代(よりしろ)となる場所です。葬儀の際は仮の位牌として白木の位牌を使いますが、四十九日までには本位牌と呼ばれる正式な位牌を取り揃えます。

本位牌には仏具店で購入します。戒名や俗名(生前の名)、没年月日を入れるため出来上がるまで2週間ほど時間が掛かります。そのためできるだけ早く注文する必要があります。白木の位牌は菩提寺の住職に四十九日の要用の際にお焚き上げしてもらい、本位牌に魂入れ(開眼供養)をしてもらいます。

本位牌というと黒塗りの位牌を思い浮かべますが、必ずしも黒塗りの必要はありません。最近は仏間や和室が無い住居も増え、洋間に合ったモダン仏壇を求める方も増えています。そのため部屋や仏壇に見合った位牌を選んでも問題ありません。

位牌は長く故人の依り代となる仏具なので、しっかりしたものを選びましょう。ただし浄土真宗では位牌を使わず、代わりに過去帳の用意する場合があります。

ご本尊

 

ご本尊は浄土に旅立った故人を守護する仏様で、仏像や掛け軸をお祀りします。ご本尊の仏様は宗派で異なるので、お求めの前に菩提寺に確認した方が良いでしょう。ご本尊はスペースが無ければご本尊のみ、余裕があれば脇飾りに脇侍の仏像や宗派の祖師をお祀りします。

仏像は仏具店で購入できます。また現在はネットなどで仏像だけを販売している業者もあり、そこから求めても問題ありません。この時点では仏像はただの「物」でしかありません。仏像も仏壇にお祀りする際に菩提寺の住職に魂入れをしてもらって初めてあなたのご先祖様を見守る「仏様」となります。

仏教では故人へのお供えとして「香」「花」「灯明」「水」「飲食」の五供が必要で、それぞれのお供えをする仏具を用います。

三具足

 

三具足とは「花立」「香炉」「火立(ろうそく立)」の3つの仏具を指します。基本的な仏具なので仏具店などでセット販売しています。もちろん単体で購入しても問題ありません。また仏壇にスペースがあれば「花立」と「火立」を左右一対にした五具足を飾ります。

花立

花立は五供の中「花」をお供えする仏具で、仏教ではお供えする花を「仏花(ぶっか)」、花を供えることを「供花(くげ)」と呼びます。

摘んだ後もしばらく咲き続ける花は仏教の大切な教えである六波羅蜜(ろくはらみつ)の「忍辱(にんじょく)」を体現しているとされ、御香を焚くのと同様に重要な供物とされています。またやがて枯れてしまう生花のお供えは仏教の世界観の「諸行無常」を表すとされます。

香炉

香炉は香を焚く器です。一般には線香をお供えします。仏教ではお香を焚くことを「食香」といい、肉体を無くした故人の魂は御香の香りを食べるとされているので重要な仏具です。

また御香は邪気を払い、心身を清らかにする効果があり、上に昇る御香の煙はあなたの思いを浄土の故人に届けてくれると言われています。

火立

火立(ひたて)は仏壇の照明となるろうそくを立てる仏具です。闇を照らすろうそくの明かりは仏教では智慧の光とされ、「灯明」と呼ばれる大切な供物です。

また身を削りながら周囲を明るく照らすろうそくの炎は仏教の教えそのものを象徴しているとされ、さらに葬儀などでは故人が極楽浄土にたどり着くまでの道標となります。

仏飯器

 

飲食供養として仏様にお供えするご飯を盛る器です。仏教では仏様はご飯を食べるのではなく、その香りを食べるとされているので炊き立てのご飯を盛りつけます。

茶湯器

飲食供養として仏様にお供えする浄水を盛る器です。死者は喉が渇くと言われているので、仏様が喉の渇きで苦しまないように水やお茶をお供えします。

ただし浄土真宗では阿弥陀如来が導く極楽浄土では飢えや渇きが無いので茶湯器は用いません。代わりに樒(しきみ)を刺しその水を香水としてお供えする華瓶を用います。

あった方が良い仏前仏具

仏教本来の供養では必要ではありませんが、一般的に仏前でのお勤めで必要とされる仏具です。

おりん

おりんは故人の供養に必ずしも必要ではありませんが、仏壇にはなくてはならない仏具の一つです。おりんはもともと禅宗で読経の際に調子を整えるために使われていた梵音具のひとつで、現在ではほぼ全ての宗派で使われています。

おりんの響きは場の邪気を払い空気を清浄にする力があるとされ、お勤めの際に鳴らすことであなたの存在を浄土にいる仏様に知らせる役目があります。

念珠

念珠は日々のお勤めで仏前に合掌礼拝する際に手に掛ける仏具です。もともとは読経の際に読み上げた経典の回数を数える道具で、お勤めの際にあなたと仏様を結ぶ役割を果たすとされています。

一般に煩悩の数とされる108個の珠がある念珠を「本式念珠」と呼び、各宗派により形状が異なります。ただし在家の信者であれば珠の数が少なく、宗派に関係なく使える簡易型の「略式念珠」で構いません。略式念珠さえあればどの宗派の葬儀や法要でも使えます。

遺影額

故人の生前の写真を入れる額です。写真が登場してからの習慣なので本来お勤めには必要ありませんが、故人を忍ぶために必要です。特に決まりはないので仏壇の雰囲気に合ったものや、故人の好きなデザインを選ぶのが良いでしょう。

あると便利な仏前仏具・道具類

仏前のスペースに余裕があり、予算があれば揃えておくと便利な道具です。無くても日々のお勤めや供養に影響はありません。

線香立て 

お線香を入れておく容器です。お線香は毎日のお勤めでお供えするので、線香立てがあるとすぐにお供えできて便利です。

ろうそく消し

灯明のお供えで使ったろうそくの炎を消す道具です。仏教では口から吐く息は不浄とされ、また故人に向かって息を吹きかけることになり無礼となるので口で吹き消すことはできません。そのためろうそくの炎は手で払うようにして消しますが、なかなか上手く消せません。

ろうそく消しは傘の部分をろうそくの火に押し当てて簡単に消せます。ろうそくの火の不始末は火事の原因にります。ろうそくの火を手で消すのが苦手な方は揃えてください。

仏器膳 

仏器膳は飲食供養で使う仏飯器と茶湯器を乗せる台です。仏飯器と茶湯器を乗せて仏前にお供えすると見栄えが良くなるだけでなく、お勤めが終わり供物を下げる時も一緒に持ち運べるので便利です。

高坏

高坏(たかつき)は各種法要やお盆、お彼岸で故人にお供えするお菓子や果物を乗せる器です。仏前にお供えする時は仏飯器・茶湯器の両脇か、一段下に置きます。また高坏に供物を乗せる際は半紙を下に敷きます。

過去帳・過去帳見台

過去帳は故人の戒名・俗名・没年月日・享年などを記し記憶しておく仏具です。平時は仏壇の引き出しにしまっておき、月命日の日に取り出して仏壇の中に見台に乗せ飾ります。

ただし浄土真宗では位牌代わりに使うので、常に仏壇の中に置きます。

常花

常花(じょうか)は蓮の花をかたどった造花で、仏壇を彩る飾りとして使用します。常花は浄土で永久に咲き続ける蓮華の象徴で、この世で「諸行無常」を象徴する生花とは対照的な存在のお飾りです。

経机

経机(きょうづくえ)日々のお勤めで読み上げるお経を置く机です。法要などでは供物を置く台としての使用します。

仏前座布団

仏前座布団は法要やお盆、お彼岸など仏前で読経するお坊様に座って頂く座布団です。遠路はるばる来ていただくお坊様へのおもてなしの意味があり、通常の座布団より大きくクッションが利き表生地に金襴緞子が用いられています。

普段のお勤めであれば、普段使っている座布団で構いません。

防火マット

防火マットは正式な仏具ではありませんが、仏壇や仏前に敷いておくと火事の予防に役立ちます。仏壇はろうそくや線香など火を使うことが多く、仏壇は木製、仏間は畳など引火しやすい素材でできており、火の不始末で火事の原因になることが少なくありません。

仏壇に合う緞子柄の防火マットは仏具店やネットでも販売しており、火の不始末が心配な方は揃えると安心です。

念珠掛け

念珠掛けはお勤めに使う念珠を吊るして置くための道具です。毎日使う念珠を仏壇に直置きすると灰やホコリを被ったり無くしたりします。念珠掛けを使うと仏壇のスペースを有効に使え、すぐに念珠が使えます。

仏具の供え方

一般的な仏壇は三段飾りになっています。上段には中央にご本尊、その両脇に脇侍を行きます。中段には仏飯器、茶湯器、位牌を置きます。位牌は最も古い年代を一番右に置きます。下段に三具足などの他の仏具を置きます。遺影は置く場所に決まりはありませんが、ご本尊より下でご本尊を遮らない場所に置きます。

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