ペットは成仏できるの?ペット供養の必要性やその理由を詳しく解説

コラム

 

ペットは成仏できるのか?

亡くなったペットがあの世で成仏できるか、気になりますよね。人によってはペット供養のために日々お勤めをされる方もいるかと思います。果たしてペットは成仏してあの世で幸せに暮らせるのか詳しく解説します。

キリスト教やイスラム教では動物は天国へ行けない

キリスト教やイスラム教では動物は天国へ行くことができません。

唯一絶対神を信奉するキリスト教やイスラム教では人は神が自分の姿に似せて創造した存在で、動物は神の子である人の繁栄に役立つように神が作ったとされています。そのためキリスト教やイスラム教では動物の生殺与奪権は人にあり、人は動物を食べる権利を神から与えられたとしています。

そのためキリスト教的立場では動物を殺すことに特別な感情を抱きません。イスラム教ではペットや家畜を慈しみ大切に扱うことが説かれ、違反した者は神の裁きを受けると説いています。しかし、動物は神が人間のために与えたものという立場は変わりません。

またキリスト教やイスラム教では人は死後に神の御心に従った者だけが審判の日に復活し、天国に行けるとされます。一方で動物は単に人に使役され食料となる存在に過ぎず、審判の日に復活し人と共に天国に行けることはありません。当然、ペットが天国に行けることなどありません。

原始仏教の教えでは動物は成仏できない

 

原始仏教では動物は成仏できない存在とされています。

仏教ではこの世界は天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六つの世界に別れ、生命は死後にこの六つの世界のいずれかに生まれ変わるとされています。仏教ではこれを六道輪廻と言い、この六つの世界のいずれに生まれても衆生※は死ぬまで煩悩に苦しむとされています。

いわゆる成仏とは煩悩により苦しみが生まれるこの六道輪廻の無限ループから抜け出すことを言い、成仏するには仏陀の教えを理解する「心」が必要とされます。

原始仏教では六道輪廻の中、成仏できるのは仏の教えを理解できる天道と人間道に生まれた「有情」の衆生だけとされます。また成仏が可能な天道や人間道に転生するには、前世で善行を積む必要があります。

そのため人語を深く理解できない動物はこの世で成仏できません。また食欲という本能の赴くままに殺生をしなければ自らの命を繋げない「無情」の動物たちは、死後も天道や人間道に生まれ変わることが難しいとされ、畜生道でひたすら転生を繰り返すことになります。

※衆生とは「あらゆる生き物」のこと。

あなたのペットは生前に善行を積んでいる

動物であるペットは生前に善行を積むことはできないのでしょうか?

実はそうではありません。本能に従い生きる野生動物と違い、ペットはあなたの友として喜びを分かち合い、人の心を癒してくれています。ペットは仏教で言う「有情」の存在です。そしてあなたの心の支えとなることで、日々「善行」を積んでいます。

そのため他の野生動物と異なり、死後に天道や人間道の衆生として転生し、その後成仏できる可能性が高いのです。

大乗仏教では動物たちも成仏できる

実は現在日本で多くの人々が信仰している大乗仏教の立場では、天道や人間道以外の一切衆生も観世音菩薩の慈悲心で成仏できるとされています。

大乗仏教では六道それぞれに観世音菩薩の化身である菩薩が教主として存在し、その世界で苦しむ衆生を救済するとされています。そして人以外の動物が住まう畜生道の衆生を救済するのが馬頭観音です。

馬頭観音は馬の頭の冠を戴いた明王の姿の菩薩で、その本体は阿弥陀如来です。馬頭観音が忿怒の形相をしているのは邪鬼や悪鬼を討ち倒すためで、阿弥陀如来の慈悲心の表れとされています。そのため畜生道の動物も馬頭観音の慈悲心に触れられれば、たちまち成仏できるとされます。

また大乗仏教の初期の経典『法華経』でも動物が成仏する説話があり、『梵網菩薩戒経』では「若見牛馬猪一切畜生応心念言、汝是畜生発菩提心(もし牛。馬・豚など一切の畜生を見て心に応じて念仏を唱えれば、畜生であっても菩提心を起こせる)」とされ、動物も成仏できると説いています。

そのため仏教を信奉する日本では、古くから荷物の運搬や農作業を手助けする馬や牛が死ぬと馬頭観音の碑を建て冥福を祈りました。馬頭観音の碑はお地蔵様と同様に全国各地の路傍に今でも存在しています。

馬頭観音 役割/仏像/由来/ご利益/寺院など詳しく解説
馬頭観音は古くから農業に使う馬や牛の守り神として親しまれ、全国の路傍に馬頭観音の石碑や石仏が数多く残されています。ところで馬頭観音はどんな仏様か知っていますか?ここでは馬頭観音の仏教での役割や由来、仏像の見分け方、ご利益について詳しく解説します。

ペットの冥福を追善供養で祈る意味

大乗仏教の浄土宗の開祖、法然上人は仮に生前阿弥陀如来の教えに出会えなくても、この世に残された人々が死者の代わりに阿弥陀如来の名号を唱えれば順次往生※できると説いています。

そのため阿弥陀如来の名号を唱えられないペットでも、あなたが代わりになって阿弥陀如来の名号を唱えれば、阿弥陀如来の慈悲心で成仏できるのです。

追善供養はこの世に残された人々が生前故人が積んだ善行を仏様に訴え、故人の冥福を祈るお勤めです。あなたがペットのために追善供養を行えば、阿弥陀如来や馬頭観音に導かれ必ず成仏できるのです。

※往生とは極楽浄土に行くこと

あなたペット供養に馬頭観音のご本尊を

馬頭観音は古くから馬や牛など家畜の守護神とされ、旅路や農耕で馬が死んだときには冥福を祈るため馬頭観音の石碑が建てられるほど動物たちには身近な仏様。あなたのペットの冥福を祈るために最適なご本尊です。

あなたのペットの御影と共に馬頭観音を安置すれば、あの世に旅立ったあなたのペットも馬頭観音の慈悲心により必ずや成仏できるでしょう。

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